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今回は水道週間行事という行事で金町浄水場に行ってきたよ。 金町浄水場の水はすぐそばの江戸川から引いてきているのだけど、以前はこの江戸川がとても汚れてしまって、金町浄水場の浄化能力ではどうにもならなくなってしまったそうだ。そして不名誉なことに、金町浄水場から配られる水は誰もがまずいと言ったそうだよ。 まずい原因はいくつかあるようなのだけど、一番の問題点はカビくささ。 そこで、金町浄水場は平成4年から高度浄水処理というのを導入し、カビを徹底的に排除し、現在はおいしい水と呼ばれるまでになったとのこと。 今回はその高度浄水処理施設を見せてもらったよ。 見学のはじめは職員さんの説明。 これは汚水を江戸川の水に見立てて、汚れを沈殿させる実験をしているところだよ。 汚水として目に見える部分のほとんどは砂や土らしい。なので、その水を放置しておけば砂や土はやがて沈殿し、上のほうの水はある程度綺麗になる。 でも、単純に放置しておいたのでは上澄みを取るだけで長い時間がかかってしまう。そこでPAC(ポリ塩化アルミニウム)という凝集剤を水に混ぜて砂や土を強制的に沈殿させてしまうんだ。これが浄水の第一段階。 従来の浄水場では、この上澄み水をフィルターでろ過して塩素を加えてそのまま配水していたんだってさ。水が綺麗な地域であればそれでかまわないのだけど、生活排水が大量に流れ込んだ江戸川では水に生活排水やカビ、微生物が紛れ込んでいるからこの工程だけでは水に匂いが残ってしまう。そこで金町浄水場は綺麗な水を作るため、新たな浄水工程を設けたんよ。それが高度浄水施設と呼ばれるものさ。 ※通常金町浄水場で水道水として配水される水は高度浄水施設を通した水と、沈殿+ろ過だけの従来の浄水方法の水を混ぜたものです。高度浄水施設を通した水100%のものは、現在東京水と呼ばれ販売されています。 高度浄水施設はオゾン接触池→生物活性炭吸着池→高度浄水ポンプ所で構成されている。 この写真は、オゾン接触池の処理をわかりやすく見せるため、色付き水をオゾンで分解している実験だ。写真が見難いけど、左がオゾンを送っている水槽。右が通常の空気を送っている水槽。元々は同じ濃さだった水が、オゾンを送っているほうだけ見る見るうちに薄くなったよ。 オゾン分子は酸素3つでできている。酸素が多いので通常の空気と比べて酸化能力が高いそうな。なので、有害な物質も酸化して無害化してしまうらしい。また、強いオゾンは生物には毒だ。オゾンにさらされると細菌は死滅してしまう(濃いオゾンに触れると人も危険です)。 オゾンで消毒された水は生物活性炭吸着池に移される。今回この実験(見学も)はなかったのだけど、活性炭で水を脱臭したり、活性炭に住み着いた微生物が人体に有毒なものを分解してくれるらしい。 詳しい説明→EICネット[環境用語集:「生物活性炭処理」] 生物活性炭吸着池を通った水は、最終工程急速ろ過池にまわされる。 実験のフィルターは、実際のろ過池と同じ比率でフィルターを構成したものだそうだ。 ちなみにフィルターは砂や砂利などで構成されている。 汚水も、フィルターを通すと綺麗な透明になってたよ。 通常浄水の場合ろ過作業の後に塩素を入れて、後は配水ってわけっす。 ちなみに、水道というのは国の規定で必ず水に塩素を入れないといけないそうな。 塩素の入ってない水はどんなにきれいでも、雑用水と呼ばれてしまうんだってさ。 余談ついでに、浄水場の守備範囲(この図は、2006年当時のものです。現在は変わっている可能性があります)。 ちなみに東京都には11の浄水場があって、各浄水場は給水所を介してそれぞれつながっている。なので、もし万が一どこかの浄水場が緊急ストップしても他の浄水場から水は供給されるわけだ。水は人が生きていくのに大切なものだから、長い時間不通にならないような構造になっているんだ。 もうひとつ、水を不通にさせないための対策をご紹介。 煙突が付いている施設は常用発電施設だ。水を作るだけなら東京電力の電気だけでも事足りるのだけど、万が一大地震か何かで電気が不通になった時に水を絶やさないために、この発電所では自所発電もしているんだ。発電の方式は火力発電。燃料は都市ガス。 通常は東京電力の電気を使いつつ、それを補う形でこの発電施設を使っているとのこと。電気が不通になったら都市ガスも不通になるのでは?と感じるだろう。実はこの発電所には、浄水場を24時間動かすだけの灯油が備蓄されているとのこと。 この浄水場の1日の水の処理能力は150万t。電気やガスが不通になっても150万tの水は確保できるわけだ。(PFIモデル事業) ちなみにクレーンで今工事している所は新たな取水口を作るにために工事をしているとのこと。現在2箇所ある取水口を大型ものに一本化するらしい。 さて、前書きが長くなったけど実際に見学したものを見てもらおう。 ここは高速凝集沈殿池。一番上の写真で写しているのもこの施設だ。 江戸川からくみ上げた水にPACを入れて、ここで泥や砂を沈殿させている。この上澄み水を次はオゾン接触池に移すわけだ。 余談になるけど、沈殿させた土や砂は火力発電で生まれる熱を使って乾かし園芸用の土に生まれ変わるそうだよ。高熱で炒られた土は雑草の種も雑菌も死滅していて、とてもプレーンな土として使えるとのこと。1年に1万7千~2万トンのプレーン土がこの浄水場で生まれ、園芸屋さんに引き取られていくらしい。ドナドナド~ナ~ この素敵キラキラタンクはオゾン発生装置。空気を低温度(-50度)にして高電圧(6200V)をかけることでオゾンが発生するとのこと。この浄水場には5機ある。 上にも書いたように濃いオゾンは人体にも毒(死亡の恐れもある)なので、このオゾン発生装置の付近にはオゾン検知器が置いてあったよ。 オゾンの詳しい説明→廃水処理について知りたい 廃水処理とオゾンの関係について これはオゾン接触池。オゾン発生装置の下の階に設置されている。高速凝集沈殿池から流れてきた水はここでブクブクと、絶えずオゾンにさらされる。こうして水に満遍なくオゾンをいきわたらせることで水の中のカビや有害物質(界面活性成分やトリハロメタンのもと)を酸化し無害化するのだ。 黄色いのはライトのせいで本当は透明っす。 と、オゾン接触池を見ていたらその脇にこんなぶっといパイプが!! 地下、コンクリート通路、極太パイプときてはパイプマニアには見逃せない場面だ。 ちなみにこのパイプが高速凝集沈殿地からオゾン接触池に水を伝えるパイプだと思う。 本当ならオゾン接触池の後に生物活性炭吸着池を見学するらしいのだけど、今回は一般公開だったのでその部分の見学はなしだったよ。 ろ過池は見せてもらったよ。この工程の後は塩素を入れて後は各地に配水するわけだ。 塩素は殺菌(菌の繁殖防止)やアンモニア除去に使うのだけれども、高度浄水処理を通した水はとてもきれいなので、塩素の量も従来に比べてかなり少なくなっているとのこと。 東京の水はこうして日々おいしくなっていってるんだね。 職員さんに聞いた所、こうした高度浄水処理をしてもコスト的には国や都の補助を受けずとも通常の水道料金でやっていけるそうだ。 今後東京都では利根川、荒川系の浄水場に高度浄水施設を導入していくとのこと。 あちきは埼玉っ子なのだけど、金町浄水場で飲ませてもらった水は、埼玉の水道水よりおいしかったよ。 最終的にはすべての水が高度浄水処理を施して配水されるといいのだけど。。。 高度浄水施設状況に関してはここが詳しい→浄水施設の紹介|東京都水道局 そうそう、職員さんの話では高度浄水処理を通した水だったら各家庭で浄水器を通す必要はほとんどないらしいよ。というのも浄水器で除去する塩素以外のものはほぼ除去されているんだってさ。 ただ、給水塔のあるマンションの場合、給水塔がきちんと清掃されていないことがあるからやはり浄水器はつけていた方がいいとのこと。また、浄水器を通したあとの水は塩素(消毒成分)が除去されるので、菌が繁殖しやすいから貯め置き厳禁だそうだ。 金町浄水場ではないけど、同じく高度浄水施設を導入している大阪府営水道の説明が、写真や文章だけでなく映像も付いているのでしくみがわかりやすいよ。 高度浄水施設に興味を持った人は是非↓こちらも見てみよう! 大阪府営水道ホームページ・浄水場見学コーナー [用語] ・EICネット[環境用語集:「オゾン処理」] ・EICネット[環境用語集:「生物活性炭処理」] 関連や参考リンク ・水・新発見:より安全でおいしい水づくり|東京都水道局 ・浄水施設の紹介|東京都水道局 ・金町浄水場常用発電PFIモデル事業|東京都水道局 ・「安全でおいしい水プロジェクト」オフィシャルサイト ・廃水処理について知りたい 廃水処理とオゾンの関係について ・大阪府営水道ホームページ・浄水場見学コーナー ・水道技術情報-狸の水呑場
by open_eye
| 2006-06-06 16:56
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